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本日の処方箋:英語の世界
通っていた学校には、外国語を操る先生が大勢いました。その中の一人に、日系二世のアメリカ人講師がいました。彼女は、カタコト+αの日本語と流暢な英語を話しました。そして、初めての授業のとき、つかえつかえの日本語でこんな話をしてくれました。
言語を学ぶということは、その後ろにある考え方や文化を学ぶということ。日本人がブリをイナダやハマチと呼び分けるように、イヌイットは雪を指す単語を10以上も持っている。英語には英語の考え方や世界がある。英語を学ぶということは、日本語にはない、英語の世界を学ぶということ。
英語を母国語としながらも日本語を学んできた日系二世の彼女の言葉には、説得力がありました。

それから10年。彼女の授業で習ったことは、全て忘れました。わたしが理解できるのは未だ日本語のみですが、彼女がしてくれたこの話は、言葉に対する考え方をまるまるきり変えてしまったほど、印象的でした。

suitという単語が好きです。
今までもらった中で一番嬉しかった言葉は、1週間一緒に暮らした友達に言われた「いてもいなくてもちょうどいい」というコメント。それを一言で表すとしたら、どの日本語よりも「suit」という英単語が、それこそ一番しっくりくると思うのです。大好きな人に「suited」な自分になること。それは、今よりも立派になる場合もあるし、だらりんとする場合もあります。「ふさわしい」とか「見合った」を超えた「suit」な状態。

belongingという単語も好きです。
「荷物」とか「所有物」といった日本語にはない、「自分で選んだ自分の物」という意思と愛着が感じられます。個人的なイメージですけれども。
自分の「荷物」が荒らされていても「あぁもう」という感じですが、自分の「belongings」が荒らされていたら「誰だよ!もう!出てらっしゃーい!」という感じ。

英語ひとつとっても、実用レベルに達するには相当な努力、もしくはそれを補う才能が必要です。かつて「英語は単なるtoolに過ぎない」と言い切った友人がいました。そういう考え方もあると思います。彼は、TOEIC800点。自分の努力でそこまで英語を使えるようにした彼の言葉には、これまた説得力があります。
実際、わたしたちが日本語を話す際に語源など意識していないように、英語を母国語とする人たちにとってひとつひとつの単語の背景など無意味でしょう。

1年目に第二外国語を落としました。2年目は、出席日数を稼いでなんとかパスしました。先日のオーストラリア旅行ですんなり通じた単語は「カプチーノ」くらい。英語じゃないから。それ。
それでも、言葉に対する興味を失わずに済んだのは、単語ひとつの裏に新しい世界が隠れているということを教えてもらったからだと思います。その言語がよくわからない「よそ者」の自分にとって、そこに何気なく転がっている単語は未知の世界。

英語は身につかなかったけれど、何度ダメと思ってもまた「英語を勉強しようかな」という気まぐれが起きるような、そんな希望をもらいました。それは、貴重な財産だと思います。本当に素晴らしい先生に巡り会えたものだと、今になって思うのです。あんなに覚えた英単語すらすっかりからんと抜け落ちたわたしの頭は、彼女の名前すら覚えていないんですけれども。

本日の処方箋:英語の世界
 お薬の種類:抗鬱剤

また英語を勉強しようかと思ったり思わなかったり。本日休診。
| 抗鬱剤 | 02:48 | comments(8) | trackbacks(0) |
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| - | 02:48 | - | - |
アポロさん、言葉によって変わるいうんはやっぱり面白いですねぇ。
ああ、でもそういえば、電話受付のバイトをしていた昔に「早口で話す人には、わざとゆっくり話す」というのを学びました。早口の人と話すと、通常はつられてこちらも気ぜわしくなってしまうので、逆にこちらがゆっくり話すことで落ち着いてもらってトラブルを防ぐという。
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確定申告、明け方人に聞き聞き、ちょっと寝て、今終わりましたー。(今って…)
| 内服 | 2006/03/15 10:22 AM |

bonoさんのコメントを読んで、
あ、私も今住んでるところと地元では性格変わってるわ!ってことに気が付きました。
環境の違いというのも当然あるんでしょうけど、言葉の響きのトーンが明らかに違って、それにリンクしているような気もします。
面白い。

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確定申告、今、終わりました!(今かよ!)
内服さんはどない??


| アポロ | 2006/03/15 3:26 AM |

bonoさん、ありがとうございます。

素晴らしく簡潔に、わたしの書きたかったことが、それ以上の形で。
> 思い込みの世界も大きな広がりと強さを持つことになります。
まさに、おっしゃるとーり。
ほえーと、コメントを眺めていました。blogってそういうのが面白いですね。コメントも合わせて1つの記事になるところが。

余談ですが、わたしはこっぱずかしい考え事(やっちゃったー!みたいなこととか)をするとき、関西弁で考えていることが多いです。仕事のことを考えるときは、たいてい標準語なんですが。

bonoさんのトリリンガル、楽しそうデス。
| 内服 | 2006/03/15 12:54 AM |

仕事柄ですが、「関西弁」「鹿児島弁」を使うことが多く、
そういうときにはアポロさんの言われてるような性格の変化が現れます。

「関西弁」むやみに明るくなります。
「鹿児島弁」やはりおおらかになります。
素は「横浜弁」(〜じゃん)なのですが・・・。
 一番暗いですね。

気分や性格なんてものは実は言葉によって
作られている、思い込みの世界なのかもしれません。

だとすれば、特定の言語でしか表現できないもの
が存在することを認識できれば、
思い込みの世界も大きな広がりと強さを持つことになります。
どこでも生きていくためにぜひ必要な要素ですね!
| bono | 2006/03/14 12:45 AM |

アポロさん、「使う言語によって自然と性格が変わる」って、なんだか納得です。英語で話そうとするとやっぱり主語がどーんとくるので、「誰が」っていうのが凄く重要な感じするし…だから欧米は責任の所在がはっきりしてるんですかねー?
と、また思いつきで物を言ってみたりみなかったり。確定申告しなくては…。
| 内服 | 2006/03/13 10:15 PM |

またまた、いい記事だなー。

誰が言ったことかは忘れてしまいましたが、英語と日本語両方を操れる人が、使う言語によって自然と性格が変わると言っていました。
その人は英語の方が攻撃的になるそうです。
それは、戦闘的という意味とは少し違うとは思いますが、なるほどなーと思った記憶があります。
| アポロ | 2006/03/13 2:36 AM |

やまめさん、文化から言語って面白そですねー。あるのかな…どっかに。フラを習いながらハワイ語とか。ケチャを習いながらインドネシア語とか。茶の湯を習いながら日本語とか。個人的には、和菓子と日本語のセットで習ってみたい(やっぱり食に行き着きマス)。
| 内服 | 2006/03/13 1:22 AM |

言語っていうのは、先人達が育ててきた、なによりも古い文化財産だと思うです。だからその広くて深い世界に触れるだけでくらりとしてしまうくらい魅力的。ほんっと、そういう才能があったらと思わずにはいられませんよねぇ…。

言語だけを学ぶのではなくて、文化から言語を学んでいくことができたりしたら楽しそうなのになー。
| やまめ | 2006/03/12 1:00 AM |










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